2022.02.10
全体講評
全国の高校生から232作品ものご応募をいただきました。たくさんのご応募ありがとうございました。
このコンテストは一番身近なインテリアである「イス」を題材に「デザインすること」の楽しさや
おもしろさを感じてもらうコンテストです。
使う人のことを思い、その想いを相手に伝えようと試行錯誤した結果生み出された作品には、
高校生の皆さんの頑張りや創造力の高さが現れていました。
この先も感性を磨いていって欲しいと思います。受賞された方も、残念ながら入賞できなかった方も
今後の成長に期待しています。
ご協賛企業、コンテスト概要はこちら。
受賞作品一覧
作品講評
・グランプリ
一つとして同じ空はない。そしてどんな空であっても何らかの美しさをはらんでいる。それは神秘的なもの
かもしれないし、狂気的なものかもしれないけれど。
このイスに座れば、ここではないどこかの空の下、同じ形のイスに座る誰かと、確かで不確かな『つながり』を
感じることができるようだ。イスに映った相手の空も、相手が観ている自分の空も、きっと自分とは違ったものに
観えているのだろう。はたしてその人はどんな美しさを感じているのだろうか。
そんなことを考えていると、これこそが『つながる』ことなのかとも思う。そもそも『人とつながる』なんてことは、
そんな曖昧模糊としたものなのだろう。
もしかしたら、人類の明らかな共通項は『美を感じる』ことなのかもしれない。美を介して『人とつながる』ことは、
とても豊かなことなのだと感じさせてくれるイスである。
(岩﨑 孝史氏)
・準グランプリ
自然を取り入れ、室外、室内で人が集まる、いこいの場 ''オアシス''のような空間ができそうでよい。
シートが木質繊維を束ねた形状記憶は自然環境を考え、取り入れてよい。緑は人の心をなごませる。
柔らかな光を取り入れ、緑豊かな自然な空気に人とつながる事を感じる。
(近藤 一幸氏)
作品講評
・奨励賞
バーチャルな空間があたり前の世界がすぐそこまできています。きっとリアルバーチャルを自由自在に
行き来する姿はあたり前に感じているようです。そんな姿をとても上手く表現できています。
水彩クレヨンの色つかいがとても良いですね。バーチャルなイメージも伝わり、今後がとても楽しみな作品です。
・奨励賞
誰もが一度は見たことのある「ボンド」をピンクで表現したことで大変親しみのある作品になっています。
本体は複数でソファーのように乗る事が出来、接着剤部分は一人から数人が座れそう、キャップ部分は一人用かな、
誰でもお気に入りが見つかりそうな包容力を感じます。少しずつ友達が増えてゆく過程が想像できますよ。
つながりを「くっつき」と表現したタイトルもイイですね。
・奨励賞
時間の経過と共に、故人の思い出も薄くなってしまうことがあると思います。こんなイスがあれば
大切な人とはつながっていると感じられる作品だと思いました。
作品講評
・校長賞
たこ焼きのソースの匂いと熱さと白い息。濡れたアスファルトから立ち上るむせるような匂いと顔にはりつく湿気。
桜の下の宴会の音。大切な誰かの声と一緒にそんなものたちが、僕の記憶には仕舞われている。
記憶の断片になる何かを一緒に届けてくれるツナガル椅子があったら絶対に欲しい。懐かしい受話器にもやられた。
・中部インテリアプランナー協会賞
親戚同士のつきあいも希薄になっている現代、改めて自分のルーツを確認したり、驚きや発見が生まれそう。
そしてやがて親戚をたどっていけば、世界中が繋がってしまうかもしれません。そんな糸口を提供して
くれるような楽しい ''イス''だと思いました。
(内藤惠子氏)
作品講評
・近藤一幸賞
電気と照明で人とつながるというコンセプトが良い。照明をイスにデザインし、明るく透明感のある空間を
創りあげ、周囲との使いわけができる点を工夫した点がよい。
室に入った瞬間にやわらかな空気がただよい、人とのつながりを感じる。
いままでにないデザインに人が集まり話題を創る事を感じる。
・内藤惠子賞
合奏はソロでは味わえない楽しさや魅力があります。座る人が増えていくと共に楽器が増え音が重なっていく。
やがてオーケストラのようにさえなっていく。その時のワクワク感が想像できます。
音符のかわいらしいいすの姿をもっと見てみたいと思いました。
・松本佳津賞
テーマ「人とつながる」を大きくとらえているところがとても良いと思います。多様性が地球上の人だけでなく、
宇宙にまで拡がる想像力、さらに画力もあり世界観をとても丁寧に上手に表現できていると思います。
大切な「思いやり」がベースになっていることも◎手描きの素晴らしさをさらに伸ばして欲しいと思います!
・岩﨑孝史賞
金環日食という天象を造型のモチーフとし、またその時にしか『会えない(つながれない)』という厳しく
逆説的な条件から『つながる』コトの尊さ、儚さを見事に表現している。
天文学的にみれば、我々が生きる『今』は自然の流れの中の儚い一瞬であり、その中で金環日食という
天象に立ち会うことができるのは(例え天象を追ったとしても)稀有なことである。その機を逃せば二度と
会えないのかもしれないし、場合によっては一度も会うことのない人もあるだろう。
元来、相手と同じ場所にあるイスに『座る』という行為は『人とつながる』ための特別なことなのかもしれない。
空に浮かぶ2つのイスの造型はともに神秘的で美しく、まるでその特別性を象徴しているかのようだ。
新型コロナパンデミックによりフィジカルに『つながる』コトが希薄化され停滞している現代において、
改めて『人とつながる』コトの意味を考えさせられる良案であった。
・田淵智子賞
「人とつながるイス」というテーマから、人と人がつながるのは自分に足りない所を補い助け合うためだと思い、
一つの作品として完成するパズルのようなイスにたどり着いた点を大変評価しました。様々な人がいるのを
イスの形状や色で表現したアイデアが素敵です。
・冨田慎治賞
視覚的なインパクトが強烈な作品です。人との強いつながりを強烈にアピール出来ています。座り方によって
リラックス出来たりブランコのような遊具になったりできる事で、使い方のバリエーションが広がるのも良いですね。
表面はクロムメッキに見えますが素材自体は柔軟性も兼ねそなえた軟質材と思われます。強さと優しさが
共存する素敵な作品ですね。
(50音順)
鵜飼 麻衣子さん(一宮起工科高校2年)
江﨑 駈さん(一宮起工科高校2年)
佐橋 美月さん(名古屋市立工芸高校2年)
中原 彩華さん(岩津高校1年)
新坂 春奈さん(佐屋高校2年)
林 勇輝さん(瑞浪高校3年)
原田 未悠さん(岩津高校1年)
平田 蓮さん(木曽青峰高校3年)
松井 優月さん(豊明高校1年)
三輪 真莉奈さん(瑞浪高校3年)
森 彩佳さん(一宮起工科高校2年)
おめでとうございます!
賞品は順次お送りいたします。
"健康デザイン"をテーマに、病院・高齢者施設の家具専門メーカー「ナゼロ株式会社」
デザインから製造まで一貫した独自性の高い家具メーカー。患者さんをはじめ、誰もが安全で快適に使うことができる家具を製造しています。また世界的に著名な椅子のコレクションを持ち"デザイン"の感性を常に大切にしています。 今年のグランプリ賞品は、イタリアMASSIMO COLOMBOデザインの『RIMINI』。椅子の名前『RIMINI』は、イタリアロマーニャ州アドリア海沿岸の都市名が由来です。
学校法人 河合塾学園 トライデントデザイン専門学校
コイズミ照明株式会社/セントラル画材株式会社/株式会社総合資格/ターナー色彩株式会社
株式会社ターレンスジャパン/株式会社大和工芸/ちくさ正文館書店/中部インテリアプランナー協会/ナゼロ株式会社/株式会社バウハウス丸栄/バニーコルアート株式会社/株式会社プリマヴェーラ/ホルベイン画材株式会社/マルマン株式会社/株式会社ミューズ/武藤工業株式会社
河合塾グループは、ご記入頂いた個人情報を厳重に取り扱い、適正な個人情報の管理を実施致します。 お預かりした個人情報は、「進学や進路選定及び学生生活にお役に立つ情報など、本校からの各種ご案内の送付」という目的でのみ、利用させていただきます
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